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「暮らしの図鑑 お茶の時間」 タピオカミルクティーに飽きてきた人へ

見て楽しい、飲んで美味しい、中国の「工芸茶」/「暮らしの図鑑 お茶の時間」(翔泳社)より

 10月1日は「日本茶の日」。1587年(天正15年)のこの日に、京都の北野天満宮で豊臣秀吉が無礼講のお茶会を開催したことにちなんだ記念日です。
 他に10月31日も「日本茶の日」(こちらは臨済宗の開祖・栄西が宋から日本茶の元となる種子とその淹れ方を持ち帰ったことに由来するんだとか)、11月1日は「紅茶の日」「玄米茶の日」と、何かとお茶関連の記念日が多い秋。そんな秋に手にしてもらいたいのが「暮らしの図鑑 お茶の時間」です。

 本書は、暮らしを彩るさまざまなモノやコトを取り上げ、日常生活を豊かにするアイデアや自分なりのお気に入りを見つけるための基本知識をまとめた「暮らしの図鑑」シリーズの一つ。お茶をテーマに、日本茶にとどまらず、世界中で親しまれている多種多様なお茶をはじめ、お茶の歴史や製造工程による分類、産地などの基礎知識、ティータイムの過ごし方などを紹介しています。

 所変われば茶も変わるようで、世界各地のお茶文化の違いは興味深いところ。濃い紅茶を熱湯で好みの濃さに調整してジャムと一緒にいただく「ロシアンティー」、紅茶とコーヒーを混ぜ合わせた香港の「鴛鴦茶(えんおうちゃ)」、お湯を注ぐと茶葉が開いて色鮮やかな花が現れる中国の「工芸茶」など、いろんな国のお茶を飲んでみたくなります。

 さまざまなお茶の基本的な淹れ方や茶器の選び方、お茶に合わせたいお菓子など、いつものティータイムを充実させる実践的なアイデアも満載。お茶のことを知りたい、お茶の時間をもっと楽しみたいという人におすすめの一冊です。