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「無職、ときどきハイボール」書評  酒浸り女性版「孤独のグルメ」

評者: 須藤靖 / 朝⽇新聞掲載:2021年04月10日
無職、ときどきハイボール 著者:酒村 ゆっけ、 出版社:ダイヤモンド社 ジャンル:食・料理

ISBN: 9784478111093
発売⽇: 2021/03/11
サイズ: 19cm/205p

無職、ときどきハイボール [著]酒村ゆっけ、

 テレビ番組「孤独のグルメ」は大好きだが、酒抜きである点がストイックで良い半面、やや残念でもある。本書はいわばその酒浸り女性バージョンだ。
 プロローグ「今日も酒がおいしーーーー!!」で、「お金はない、友人も少ない、仕事もほとんどない、でも時間はある」と独白した直後、「それでも幸せに生きていけているのは酒のおかげだ」と突然ポジティブに開き直られるとかえって心配だ。そもそも著者名からして怪しい(末尾の読点に至っては全く理解不能)。
 吉野家、サイゼリヤ、びっくりドンキー、くら寿司、富士そば、野郎ラーメンまでもが、彼女にかかると魅力たっぷりの超チープ酒場に変身。書かれた通りの順番で同じメニューを頼んで飲んだくれてしまいたい衝動に駆られるほどだ。
 さらに飲む量と食べる量が尋常ではない。思わず検索して見つけた動画の中の著者は、私の勝手な想像と違い過ぎ、のけぞってしまった。皆さんもご覧あれ!