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著者に会いたい

念力図鑑 笹公人さん

[掲載]2005年08月28日
[文・写真]木元俊宏

写真

笹公人さん

 まるまると太ったヤブ蚊飛んできてガダルカナルからきたと囁(ささや)く

 「ブラッシーの噛(か)み付きを見て死んだの」と少女は前世を語りはじめる

 異化、という言葉が気恥ずかしくなるほど力みのない手つきで、笹公人(ささきみひと)さんの短歌は、私たちをスッと、日常のほつれ目から吸い出していく。行く先は、奇妙なドラマが凝縮した、宝玉のような空間だ。

 題材はキッチュだったりポップだったり。しかしその自在な空想の中に、しっとりとした叙情がたゆたう。まか不思議。

 笹さん自身も、「わしズム」「SFマガジン」「小学六年生」などジャンルを超えた雑誌に連載するほか、FM「J—WAVE」で短歌コーナーを持つ神出鬼没ぶり。さらにテクノポップバンドを率い、携帯コンテンツのゲームの制作も手がける。

 歌人らしからぬこの歌人の出発点は、17歳の時に読んだ寺山修司の短歌だった。

 「その物語性と、土俗的な妖(あや)しいオーラを放つ作風にひかれて」、笹さんの中に創作の悪魔(デーモン)が息づき始める。「短歌朝日」などに投稿をして入選を重ね、やがて結社「未来短歌会」に参加。岡井隆に師事し、歌人としてデビュー。第一歌集『念力家族』から数えて、本書が三冊目の作品集だ。

 「僕の作品は邪道と言われるかもしれません。でも、佐佐木幸綱氏がある本でこんなことをおっしゃっていました。短歌という形式に殺されないためには、常に異端であろうとしなくてはならない、と」

 作品集の帯に推薦文を寄せた蜷川幸雄、久世光彦、和田誠、糸井重里をはじめ、そうそうたる人々も、笹さんの作品に注目している。次にはさあ何が飛び出すか。

 しろがねのドアをいきなり開けたのは電流帯びたニコラ・テスラ氏

 指切りの指のほどけるつかのまに約束蜂の針がきらめく



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    書籍詳細

    表紙画像

    念力図鑑

    • 著者: 笹 公人
    • 出版社: 幻冬舎
    • ISBN: 4344010132
    • 価格: ¥ 1,260

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