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たくきよしみつさん(51)
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■心くすぐる、けなげな姿
神社の参道や本殿前で、時にいかめしく、あるいは愛嬌(あいきょう)のある顔で私たちを迎えてくれる狛犬(こまいぬ)。その魅力を一冊に詰め込んだ。
さまざまなタイプの狛犬をとらえた400点を超すカラー写真と、「狛犬の元は獅子像である。つまり、スフィンクスは狛犬の祖先だ」といった歴史や基礎知識の解説が、英文と併記で収められている。
著者のたくきよしみつさんは、CMやミュージカル音楽の作曲家で、『マリアの父親』で小説すばる新人賞を受賞した作家でもある。IT(情報技術)やデジカメ撮影術にも詳しく、その方面の著作も多い。
そんなたくきさんが狛犬に魅せられたのは20代半ばの頃。ニューミュージックのデュオを組み、大手音楽会社からデビューを果たす。だが、様々な事情からデュオは解散。準備していたアルバムは出せなかった。
「失意の中、傷心を抱えて」奥さんと貧乏旅行に。ふと訪れた山梨県の神社で、木製の狛犬に出会った。「むくむくとした、かわいいタイプ。軒下で半分雨ざらしになっていた」。心をくすぐられた。以来、神社を訪れては狛犬を撮り続ける。
台座に刻まれた作者や年代をメモするうち「ドラマ」もいろいろ見えてきた。「例えば、この石工さんは10年たってうまくなったなあ、なんてことが分かるんです」。90年代半ばからは、やはり狛犬好きで知られる三遊亭円丈さん主宰の「日本参道狛犬研究会」にも参加。
「仏像と違い、狛犬には誰も手を合わさない。芸術作品として認められもしない。文句も言わず雨風に打たれ、ただの石に戻って行く。けなげなんですよ、狛犬って」
刊行後、「狛犬たちに心癒やされました」といった読者からのメールが届いているそうだ。