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著者に会いたい

鹿男あをによし 万城目学さん

[掲載]2007年04月29日
[文]加藤修 [写真]安藤由華

■もっと楽しく、奇想を全開

 オニたちを闘わせる競技にかかわってしまった京大生の姿を描いた『鴨川ホルモー』。奈良の高校に赴任した理科教師が「鹿せんべい、そんなにうまいか」と鹿に話しかけられるところから物語が動き出す『鹿男あをによし』。そんな奇抜な設定が、万城目学(まきめ・まなぶ)さんの手にかかると、さわやかな風の吹く物語に変わる。

写真万城目学さん

 「オニのささやきが聞こえ、鹿が夢に出てきて物語を作ってくれと言うので――というような体験はまったくしていません。どうしたらもっと楽しくなるのか、理詰めに考えてストーリーを組み立てています」

 例えば『鹿男』の場合、モンゴルでトナカイを見て「このぼーっとしたトナカイが話したら」と思った体験をもとに、『坊っちゃん』のようなリズムのいい文体を選び、トナカイを奈良の鹿に変え、三角縁神獣鏡などの古代史を背景に取り込むことで物語に奥行きを持たせた。

 「松本人志さんのコントが好きで、日常と非日常がくっついてどんどん話がずれていくのをずっと楽しんできました。それが、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』を読んだとき、小説でもこういう荒唐無稽(こうとうむけい)な話がありなのかとふっきれました」

 小説を書き始めたのは、21歳のころ。同じ京大法学部には、23歳で芥川賞を受けた平野啓一郎さんもいた。「影響を受けるも何も、難し過ぎて、ぜんぜんわからんかった」

 そのころ書いていたのは「個人的な体験を反映させた日記かカウンセリングのようなもの」だったという。

 「会社を辞め、小説を書き続けながら、自分のことを書こうという気持ちが抜けるのに7年ぐらいかかった。デビュー作の『ホルモー』が支持されたことで、今の作風を楽しんでもらえる自信がつきました。京都、奈良の次は、故郷の大阪が舞台です」

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