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著者に会いたい

シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン 小路幸也さん

[掲載]2007年07月22日
[文]堀田あゆみ [写真]伊藤健次

■TVドラマに愛を込めて

 前作『東京バンドワゴン』がブレークした小路幸也(しょうじゆきや)さん。その続編となる本書も、頑固親父(おやじ)とその大家族をめぐる下町の物語だ。第3作や外伝の執筆依頼も届き、著者初のシリーズ作品誕生となった。

写真小路幸也さん(46)

 「テレビが一家に1台、居間のど真ん中に鎮座するなかで育った、最初で最後の世代が僕ら。親と一緒に見て、泣いたり笑ったりしたドラマへの愛を込めました」

 主人公、堀田家の家業は、カフェも営む古書店。還暦を迎えた「伝説のロッカー」や「未婚の母」、「愛人さんに産ませ」た子ら、一筋縄ではいかない面々がそろう一家に、近所の神主やイギリス人画家、古書好きの若いIT社長らが絡む。

 自分が手放した50冊の本を、毎日1冊ずつ買い戻しに来る老人、見知らぬ人からもらったはずの古本に、何十年も前のわが家の写真がはさんであった理由……。犯罪も悪意も登場しない〈謎解き〉が、時にどたばた、時にしんみりと物語を動かす。昭和のホームドラマの味わいだ。

 題名はビートルズのヒット曲。主人公の姓は夏目漱石『坊っちゃん』から。「漫画も映画も小説もロックも、自分の栄養になったものを出し尽くしていきたい」という著者らしく、先人たちへの「リスペクト」があちこちに埋め込まれている。

 札幌の広告制作会社に勤めていた30歳の誕生日に「職業として」の作家を志した。「広告の仕事は面白かったけど、バブルもはじけ、このままでいいのかと」。新人賞応募やゲームシナリオ執筆を経て、42歳でデビュー。子どもや若者の感性を伸びやかに描く作品に、定評がある。

 「家族や疑似家族を描いてきた気がする。仲間というものへのあこがれ、かな」。希望のある物語で高みを目指したい、という。

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