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著者に会いたい

医学のたまご 海堂尊さん

[掲載]2008年02月10日
[文]中村真理子 [写真]郭允

■少年の目線で医療の矛盾を

 デビュー作『チーム・バチスタの栄光』が映画になった。医師で作家の海堂尊(かいどう・たける)さんの最新刊は、初めて中高生向きに書いた小説だ。

写真海堂尊さん(46)

 表紙にはヨシタケシンスケさんが描くほわんとした男の子がいる。主人公の薫は14歳。ある試験の結果、「日本一の天才少年」となって東城大学医学部に入学することに。研究テーマはレティノブラストーマの遺伝子発現の特異性の抽出。って、子どもたちにわかるのでしょうか。

 「大人の鑑賞に堪えうる読み物にしたかった。わからないなりにわかることがある。最初の読者の小6の娘も面白いと言ってくれました」

 医療の問題と謎解きに、少年たちの友情や勇気がカクテルのようにとけ込む。過去の作品でおなじみの顔も登場する。「僕にとって登場人物は物語が終わった後も生きている。彼らの人生を何とかするのが僕の責任、というへんてこな考え方をしています」。しかし、人物設定は行き当たりばったりで、「自分の作品を参考文献のように読み直さないといけないこともある」と苦笑する。

 「物語はラストシーンから始まる」という執筆スタイル。まず結末を頭に浮かべて簡単にまとめた後、冒頭から書き下ろす。最後が決まっていれば物語はきっと終わる、というのだ。シリアスとコミカル、正反対の物語を同時並行で書くことも。

 ユニークな登場人物の目線から医療の矛盾を見せてきた。病理医として、低い解剖率が死因不明を招く現状と、それを打開する死亡時画像病理診断(Ai<エーアイ>)の導入を主張してきた。まっすぐ論じたブルーバックス『死因不明社会』は増刷を重ねる。

 「本名では全然だめ。二足のわらじで良かったことです。小説を読んでくれた一人を変えたい。伝えたいことが強いかどうか、強度の勝負なのです」

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