[掲載]2008年02月17日
東川篤哉さん(39)
■自分的には大爆笑ですが
ヤクザの組長の娘を誘拐してしまった大学生が巻き込まれたどたばたを軽妙に描いた。組の名は「花園組」、代紋はテキ屋の象徴である一本のバナナ……。
ユーモアミステリーとも脱力系ミステリーとも呼ばれている東川篤哉(ひがしかわ・とくや)作品のなかでも笑いの密度が高い。たたみかけるように笑いを仕掛け、物語のスピードを上げていく。
「ユーモアミステリーという呼び方が好きですが、古くさいし、売れないし……。仕方なくお笑いミステリーと呼ぶこともあります」
明るく冗舌な作品の登場人物とは対照的に、作家本人はぼやき系。自虐的に語るが、実際は架空の地方都市「烏賊川(いかがわ)市」シリーズや『交換殺人には向かない夜』など、人気は高い。
「ぬるいと言われるだじゃれは、僕の本質がにじみ出ているだけ。携帯もないし、ネットにもつながないからトリックもアナログです」
会社の仕事がいやになって26歳で退職し、フリーターをしながら小説を書き始めた。初めて書き上げた短編が『本格推理』の公募で鮎川哲也さんに選ばれたことから作家への道を歩むことになり、02年には『密室の鍵貸します』でKappa―One登竜門の第1弾に選ばれた。
「本格ミステリーとユーモアは自分の中では一つです。好きな笑いのタイプは前振りがあって落ちがあるものだし、本格ミステリーも伏線があって、それを回収していきます」
ユーモアミステリーでは、赤川次郎さんの作風にひかれている。「組長の娘を女子高生にしたのも『セーラー服と機関銃』からの連想です」
ぼやきの合間に、ユーモアミステリーこそ王道であるという思いも伝わってくる。「自信満々にお薦めはできませんが、自分的には大爆笑……あ、いや、できませんか……」
著者:東川 篤哉
出版社:文藝春秋 価格:¥ 1,260
著者:東川 篤哉
出版社:光文社 価格:¥ 880
著者:東川 篤哉
出版社:光文社 価格:¥ 560
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