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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>著者に会いたい> 記事 著者に会いたい 極楽谷に死す 西木正明さん[掲載]2008年04月06日 ■70年代の熱気、敗者の情念で 70年代の熱気のまっただ中で、「平凡パンチ」全盛期の編集者として若者文化に向き合ってきた西木正明(にしき・まさあき)さんもまもなく68歳。30年を経て「懐かしさとむなしさと反省がある」あの時代をとらえ直した。
例えば表題作は、南米で貧しい人々を助ける活動をしていた友の死を告げる手紙が届くところから物語が始まる。学生時代、彼をデモに初めて誘った〈わたし〉は、後悔とあこがれを感じながら30年を振り返る。 「この作品につながる『ケープタウンから来た手紙』を87年に書いたときは、まだ生々しく、消化しきれなかった。それから20年を経て、やっと裏切りなども“しかたなかった”と思えるようになりました」 ベトナム反戦運動の拠点の一つだったバー「コルト45」など実在した店の名が小説に時代の手ざわりを与える。「創作ですが、実際に体験した出来事がほとんどです。あの時代のにおいや空気を描きたかった。勝者が残す“正史”ではなく、敗者による情念をもとにした歴史です」 作品の舞台は、アフリカのザンジバル、トルコのボスポラス海峡、チリなど世界に広がる。「昔からものごとを単純化したくなると、生きていく上で無駄なことをしていない辺境の民に目がいく。海にゆかりの深い土地を選んで、潮の香りのなかであの時代を振り返ってみたかった」 70年代を振り返る仕事と並行して、太平洋戦争をテーマにした1200枚を超す大作の執筆も続けていた。「昨年1年間で地球を2周して資料や証言を探しました。まだ言えませんが、太平洋戦争を原点に戻って考えるためのおもしろい材料がそろったはずです」 世界を飛び回った取材について話す熱さは、70年代の回想に出てくる若き編集者と真っすぐに重なって見える。 ここから広告です 広告終わり 著者に会いたい バックナンバー
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