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著者に会いたい

そのノブは心の扉 劇団ひとりさん

[掲載]2008年04月20日
[文]中村真理子 [写真]菊池康全

■石原さんへの無償の愛?

 最初の一言は「元気のない劇団(げきだん)ひとりです……」。ちょっと情けないあいさつはお笑い芸人のもの。ドラマや映画にも出演し、小説『陰日向(かげひなた)に咲く』は100万部を超えた。多才な人だ。初めてのエッセー集も笑えて、切なくて、おかしみのある劇団ひとりの世界が広がっている。

写真劇団ひとりさん(31)

 見返りのない究極の愛を求めて駐車場で拾った石に石原さんと名前を付け、愛そうとする「無償の愛」。格好いい自分になりたくて鼻の頭と眉の端にばんそうこうをはり、服を着たままシャワーを浴びて「うわー!」と嘆く「自信」など、34編。

 「どれも事実なんだけど、自分を主人公にした話という感覚もある。文字にすると、自分の経験や思ったことの輪郭がはっきりしてくる。いいアルバムになっているかな」

 最初に「仕事の話は書かない」とルールを決めた。乗馬検定、船舶免許、無重力体験。ひとりで過ごす休日としてはかなり積極的だ。「いろんな経験をいっぱいしたかった。やっておけば良かったっていう後悔ほど未練たらしいものはないから」

 もともと文章を書くことが好きで友達の作文を代筆したことも。でも「出来はひどい。オレはマシンガンを突きつけられたって今晩の献立を考える男だぜ、みたいな作文で、友達にはこんなの出せるかってやぶかれました」。文体で一番影響を受けているのは、なんと自己啓発本。日々、数え切れない量を読んでいる。何か思いつけば、ぱっとメモをとる。コントのネタもお買い物リストも、みんな一緒のメモ帳に。

 寅さんやロッキーが好き。「ロッキーなんていないのに、戦っているのを見て、明日から頑張ろうって気になるからすごい。ああいうキャラクターを一つ、どんな形であれ、自分で作って後世に残せたら、と思います」

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