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オレたち花のバブル組 池井戸潤さん

[掲載]2008年6月29日

  • [文]加藤修 [写真]倉田貴志

写真池井戸潤さん(45)

■私もバブル入行組ですが…

 東京・原宿にある池井戸潤(いけいど・じゅん)さんの仕事場のドアを開けると、ゴルフのキャディーバッグとスペシャライズド社のマウンテンバイクがある。机の近くにはフライフィッシングの針に糸を巻き付けるためのバイスと、ホームページで公開する写真を撮るためのコンタックスのカメラ、カールツァイスの交換レンズ、それにもう一つのキャディーバッグとパター、ボール……。ハーレーダビッドソンのオートバイは修理中らしい。

 88年に三菱銀行に入り、7年後に独立した「バブル入行組」らしく、連載と書き下ろしを抱え、中小企業の財務担当の役員も務めながら、それでも仕事場を遊び場にしてしまう。「バブル世代は遊んでばかりと思われていますが、仕事も組織も内側ばかりを見ていると窒息してしまう」

 『オレたち花のバブル組』では、運用で巨額の損失を出したホテルグループを破綻(はたん)懸念先としたい金融庁の検査官とバブル組の銀行員が対決する。「銀行員の体験をもとにした情報小説ではありません。最低限の現実性を確保した上で、作りたかったのはチャンバラ小説の痛快さです」

 外の敵である金融庁と戦い、内側の敵である不正を働く上司を追いつめる。「銀行だけでなく、いろいろな会社で起こりうるドラマです。タイヤ脱落事故を題材にした『空飛ぶタイヤ』がノンフィクションのように受け止められてしまったので、検査官をわざと大げさに描いたら、それが楽しくなってしまった」

 上司にさえも「やられたら、倍返し」と戦う主人公の姿は、組織の内側にいながら閉じこめられていない感覚を持つバブル世代の本質のようにもみえる。「ひとことで言えばバブル組は没落貴族。ちょっと華やかで、期待が裏切られ続けたことで傷ついているところがいい」

表紙画像

オレたち花のバブル組

著者:池井戸 潤

出版社:文藝春秋   価格:¥ 1,750

表紙画像

空飛ぶタイヤ

著者:池井戸 潤

出版社:実業之日本社   価格:¥ 1,995

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