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非常階段―A STORY OF THE KING OF NOISE JOJO広重さん

[掲載]2010年9月5日

  • [文・写真]近藤康太郎

写真:JOJO広重さん(50)拡大JOJO広重さん(50)

■実録「30年間アホでした」

 大手CD店のHMV渋谷店が閉店、記念の店内ライブに非常階段が出る――。衝撃のニュースが音楽ファンの間を駆けめぐったとき、みなが広重さんに聞いてきたという。閉店だから、やはり店を壊しちゃうんですか?

 「そんなこと、するわけないじゃないですか。でもあいつらだったら分からないという、わくわく感をもたせちゃうバンドなんですよ、非常階段は」

 ノイズミュージックを世界でほぼ初めて生み出したバンド、非常階段の中心人物。広重さんのほかメンバーの美川俊治、JUNKO、コサカイフミオ各氏が編集の野間易通氏の取材を受けてまとめた本が出た。1979年に結成されたバンドの、30周年企画だ。

 ロックの可能性がほとんど試し尽くされていた79年、「だれもやっていない、なんだかわからないもの」を求めて独自に編み出した方法論がノイズだった。本書には、京都、大阪に生まれた早熟な音楽少年たちの、濃密な議論の口吻(こうふん)、ライブの熱が充満している。

 非常階段を一躍有名にしたのは、ステージ上での放尿、嘔吐(おうと)、ミミズなどをまき散らす前代未聞のパフォーマンスだった。

 「ノイズをアートにしたくない。偉くなりたくなかった。僕らは、昔のプロレスでいう反則レスラー。この本は、30年間アホでしたという記録です」

 HMVでのライブは、客が来すぎて札止め。拳を振り上げ興奮する若者ではちゃめちゃになった。「30年やってきて、ノイズがやっとエンターテインメントになったという感慨がありましたよ。何かが生まれるとはどういうことか。それを続けるとはどういうことか。そのことを語った本なんです」

 広重さんに昨年、おむつ会社のCMソングを歌う仕事があった。「♪おしっこできたら/ほめてあげてね」。撮影後、ボツになったという。そりゃ、そうだろう。

表紙画像

非常階段 A STORY OF THE KING OF NOISE

著者:JOJO広重・美川俊治・JUNKO・コサカイフミオ・野間易通

出版社:K&Bパブリッシャーズ   価格:¥ 3,000

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