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売れてる本

教室の悪魔 [著]山脇由貴子

[掲載]2007年01月28日
[評者]小柳学(編集者)

 現代の「いじめ」のメカニズムを具体例とともに示し、子供を守るための道筋を解説する。著者は、東京都児童相談センターのカウンセラー。

 挙げられている事例は生々しい。例えば母親が主婦売春をしているといったメールを流す。偽の情報によっていじめの理由が作られていくパターンだ。また学校の掲示板に下着を貼(は)るなど、徹底的に恥ずかしい思いをさせるパターンもある。さらに、屋上に連れていき「飛び降りたら」と言ういじめ。相手を完全否定するパターンである。

 その上で本書は、学校を休ませることなどから始まり、被害者である子供をどう守るか、親はどう対処すべきかなど、いじめを解決するための実践的なルールを提示する。

 いじめの発覚を誰より恐れるのは、実は被害者だという。いじめがエスカレートするからだ。加害者も教師に見つからないよう巧妙に振る舞う。現代のいじめは「ひとりの被害者と全員の加害者」となると指摘する。

 タイトルは、「いじめという言葉を超えたことが起きている。それを伝えるため」と担当編集の野村浩介さん。著者の話すいじめの現実にショックを受け、渦中にいる人のため一刻も早くと、11月15日に原稿依頼をしてから1カ月強の12月20日に書店配本、という早業だった。

 学校の教師、子供を持つ親、PTA役員など「いじめ問題と直面している人」が読んでいる。「いじめの原因がわかった。希望が見えてきた」という30代女性教師。「読んでいる途中、怒りで手が震えた」という50代男性。「いじめをちゃんと書いてくれてうれしい。本当に苦しいから」という14歳の中学生からの感想も届いている。

    ◇

 4刷・10万部

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