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売れてる本

日本人のしきたり [編著]飯倉晴武

[掲載]2007年02月04日
[評者]木元俊宏

 正月をはじめとする年中行事、結婚、懐妊・出産、祝い事、贈答、葬式など、暮らしの中のさまざまな「しきたり」の由来や意味を百項目以上集め、わかりやすく解説する。

 例えば、「門松」はもともと「年神様が降りてくるときの目印」。また「年男」は今では、その年の干支(えと)に当たる人を指すが、「本来は正月行事全般を取り仕切る人のこと」だった。

 葬式のときの「お通夜」は、邪霊の侵入を防ぐ意味とともに「昔は野生動物も多かったので、遺体が襲われるのを防ぐためでもあったといわれます」。このように、知っていそうで知らない知識や、なるほどと思える説明が満載だ。

 著者は元宮内庁書陵部首席研究官。古文書・古記録の専門家である。

 刊行は03年1月。年末年始によく売れるパターンで、毎年数万部ずつ、部数を重ねてきた。「昨年も11月くらいから動きが良くなってきたのですが、このシーズンは特に反応がいい。そこで各書店に『売れ筋です』とアピールしました」と担当編集者。やがて火がつき、ベストセラー・ランキングに顔を出すようになった。

 「『国家の品格』がヒットしたように、日本人としての精神的よりどころが求められている時代です。そんな回帰志向に、ちょうどタイミングが合ったのではないでしょうか」。50代以降の年配層の男性が主力読者だったが、最近は30代にも読まれており、本についての問い合わせも女性が多くなってきた。

 各項目の分量は最大で約2ページ。「コンパクトにまとまっていて読みやすい」「自分が知らなかった知識を面白く読めた」といった感想が集まっている。

    ◇

 20刷・32万部

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