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売れてる本

14歳 [著]千原ジュニア

[掲載]2007年02月25日
[評者]小柳学(編集者)

 人気お笑いコンビ「千原兄弟」の弟による「ひきこもり」を題材にした自伝的小説。

 「僕」は14歳、部屋にカギをつけて暮らしている。外に出るときもパジャマのままで、好奇の視線にさらされている。家の壁は僕が殴り穴があいている。一カ月誰とも話さないことも。僕は心の中でつぶやく。「僕は何になるんだろう。僕は誰になるんだろう。僕はどうなるんだろう。僕はどうするんだろう」

 また、困惑し悲嘆する母親には、「僕はやり方が少し人と違うだけなんだ。もう少し。もう少し待ってください」。

 しかし、そうした生活も、祖母との旅行をきっかけに終わりに向かう。僕は笑いの世界という「戦うべき場所」を見つけ、パジャマを脱ぎ家を出る――。

 読者層は女性が6割で、20代、30代が中心。「ひきこもり少年の話だが、ネガティブでなく、むしろポジティブな冒険譚(たん)のように読めた」といった感想が届いている。また、子供を持つ母親からは「息子がひきこもっているが、これを読んで息子を信じようという気持ちになった」「『もう少し待ってください』という言葉に救われた」という感想も。

 9年前の月刊誌での連載をもとにしている。「いやな気持ちのなかでも、いつも未来を想像している。一冊の本にし、それを手元に置いて自分への励みにしたかった」と、企画と編集を担当した成澤景子さん。当初は「むかしのことは恥ずかしい」といっていた著者の了解を得て、書籍化された。

 「『僕は僕を守る』という言葉が出てきますが、孤独な若者にもメッセージとして届いているのではと思います」と成澤さんは語る。

    ◇

6刷・8万部

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