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売れてる本

教育力 [著]斎藤孝

[掲載]2007年03月25日
[評者]小柳学(編集者)

 「教える」とはどういうことか。『声に出して読みたい日本語』で知られ、「本業は教育学者」という著者が、簡潔なことばで、これまで研究してきた教育方法の成果を公開している。

 冒頭で、「教育の一番の基本は、学ぶ意欲をかき立てることだ。そのためには、教える者自身が、あこがれを強く持つ必要がある」。以後、「教育を祝祭として受けとめること」「個人の力より関係の力を信じる」といった教育者へのメッセージが、古今東西の古典や、各界の著名人のことばを紹介しながら、情熱的に発せられる。

 さらには、気がついたことを生徒に伝えるときの心構えなど、実践的なアドバイスも。

 斎藤さんが自身のホームページで「教師の資質あるいは力」を公開したところ反響が大きく、新書として書き下ろされた。

 おもな読者は小中高の学校教師と、教師をめざしている学生。20代が3割を占め、男女半々。

 担当編集の坂巻克巳さんは言う。「教師の資質をきびしく問う動きがある一方、教師の方でも、近年の環境の変化に対応するのに大変で、どうしてわかってくれないんだという思いがある。『教えること』がネガティブなイメージになってしまっているなか、斎藤さんは『教えること』は、本当は面白くてすばらしいことなんだとポジティブに語っている。それが若い人への励ましになっているようです」

 教員志望が減っている現状のなかで、「教師という仕事に誇りを持てるようになった」といった感想が届いている。岩波新書は「長く確実に売れるものが多い」なか、発売直後から勢いよく部数を伸ばしているのは珍しいという。

    ◇

 4刷6万5000部

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