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売れてる本

いつまでもデブと思うなよ [著]岡田斗司夫

[掲載]2007年09月30日
[評者]小柳学(編集者)

 「ダイエット」をネットで検索すると美しい女性を表紙にした本が画面にずらり出てくる。本書は、それとは対照的に「一人の太った中年男がダイエットに成功したサクセスストーリー」(編集担当の後藤裕二さん)。男性向けダイエットを大々的に打ち出した本は珍しい。

 オタク評論家として知られる著者は、まずなぜやせる必要があるのかを説く。それは現在、「見た目の印象」を重視する社会になっているから。デブでいいことはない。デブの分だけ損をする。得をする職業はグルメレポーターくらいとする。

 そのダイエット法はシンプル。「口に入れたものを記録する」「体重を記録する」に始まり、次の段階では「カロリーを計算する」が加わる……という具合に、記録しつづけることで自己コントロールしていく。その結果、わずか1年で117キロあった体重が67キロに。その後に待っていたのは、「急にモテるようになる」「自分に自信がつく」など、いいことずくめ。

 読者層は20〜40代が8割、男女半々。「やせている人も読んでいます」と後藤さん。著者が展開する「見た目主義社会」論が読み物として、読者の体形に関係なく、面白く読まれているようだ。加えて、キングサイズの服はデザインがいまいちの割に値段が高いといったことを知ることができ、太った人の世界のドキュメント的な要素も。さらに、ビジネス雑誌では、自己改革本として紹介されるなど、さまざまな読み方が重なりベストセラーとなっている。

 たとえ太っていなくとも、「もう1、2キロ体重を減らすつもりです」など、より見た目のいい存在になろうと努力する男性の声も届いている。

    ◇

 11刷・25万部

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