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売れてる本

夢をかなえるゾウ [著]水野敬也

[掲載]2007年11月11日
[評者]小柳学(編集者)

 成功法則の本があふれているのに、読んで成功したという人をあまり聞かない。どうして?

 ベストセラー『ウケる技術』でも知られる著者はいう。

 〈それは、何もしないからです。実行に移さないからです〉

 本書は、そうした夢はあってもめんどくさがり屋のサラリーマンである「僕」が、一つひとつ課題をクリアしていく小説仕立ての自己啓発書である。師匠は、なぜか関西弁を話すゾウの神様、ガネーシャ。

 最初の課題は、靴磨き。拍子抜けの「僕」に、ガネーシャは、商売道具を大事にすることの必要を説く。そして、「このままやと2000パーセント成功でけへんで」と一喝。

 イチローくんやロックフェラーくん、幸(こう)ちゃんらの例をあげて心構えを伝授していく。神様なので、偉人たちでさえすべて「くん」や「ちゃん」づけ。幸ちゃんとは、松下幸之助のことである。大食漢で、ダジャレを言っては、「僕」を沈黙させる。

 「自己啓発書と聞くだけで拒否してしまう人が手にとる自己啓発書を目指しました」と編集担当の畑北斗さん。

 そのために、まずタイトルと装丁をそれに似つかわしくないものにした。また、上からのベタなメッセージに醒(さ)めがちな20代、30代の読者を意識して、ガネーシャというダメな神様を設定。結果、「笑いながら、いいことを教えてもらった」という感想が寄せられている。

 自己啓発書というと、どちらかといえば隠れてひっそりと読むもの。しかし、本書は読者カードの半分に「おもしろかったので友人にすすめた」とあり、回し読みすらできる雰囲気。とくに女性の口コミを中心に広まっていったという。

    ◇

9刷・12万部

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