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売れてる本

日本の10大新宗教 [著]島田裕巳

[掲載]2008年02月17日
[評者]瀧井朝世(ライター)

 新しい宗教というと、カルト教団とのイメージを抱きがちだが、よく見聞きする創価学会や天理教だって、歴史の中ではまだまだ新しい。本書はそれらを含め、新宗教といえる10の教団を選び、成立の経緯や特徴をコンパクトにまとめた1冊。

 数百ある中から10に絞るのは難しかっただろうが、宗教学者である著者がさまざまな要因を加味して選択。「どの教団に対しても客観性を保ちつつ、単なる解説ではなく読み物として面白い。宗教に縁のなかった読者にとって、概要を把握できる手軽な入門書となっているようです」と、担当編集者の志儀保博さん。確かに、成立の経緯はどれもドラマ的だし、既存の宗教や社会状況との関連性が分かり、興味が深まる。

 昨年11月に刊行、初版1万5000部はすぐ重版に。好調なため日本経済新聞に広告を載せることとなり、その際「新宗教には、なぜ巨大なカネが集まるのか?」というフレーズを使用したところ売れ行き増進。現在はオビにもこの言葉を使い、版を重ねている。もちろん本書は金銭の流れがテーマではないが、豪華な宗教施設などを目にした人間なら漠然と抱くであろう疑問を、うまく刺激した形に。

 読者層は30、40代の男性が中心。「初心者でも分かりやすい」「どの宗教にも肩入れしない姿勢に感心」と好意的な意見が寄せられる一方、信者から「なぜうちの宗教が載せられていないのか」と、編集部に電話がかかってくることも。また、「オウム真理教は入れないのか」と、社会的事件をひき起こした集団について解説を求める声も多く、今後続編の刊行も予定されている。

    ◇

 11刷・26万部

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