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売れてる本

ドアラのひみつ [著]ドアラ

[掲載]2008年04月13日
[評者]瀧井朝世(ライター)

 初版7千部の予定が、注文が殺到し急きょ7万部に変更、刊行数日で重版決定。サイン会を開けば予約の電話で回線がパンクし、徹夜組も登場。中日ドラゴンズのマスコットキャラクター、ドアラが今、全国規模で人気を博している。

 06年に球団広報が開設したブログ内で注目を集めはじめ、07年に珍妙な行動が動画サイトに投稿され一躍ネットアイドルに。「ハ」の字眉の気弱そうな顔で見せる、時に傍若無人、時に情けない姿を笑ううち、なんだか愛(いと)おしくなってくる。

 「ドアラの人間味あふれる部分にハマる人が多い。本を作るなら本人発信の“ドアラ著”でなければ、と思っていました」と、担当編集者の太田智一さん。「最初は執筆を手伝うことも考えました。でも本人の原稿を読んだら、手を加えてはいけない、と思うほど面白くて」。ロッキングチェアを“動く椅子(いす)”と記すなど、発想もかなり自由。

 読者層は野球関連本にしては意外にも5割強が女性、男女ともに20、30代が中心。地域の売れ行きは1位が名古屋、次いで東京だが、他球団の本拠地でも好評。野球ファンでなくとも分かる内容が功を奏して「野球に興味を持った」という声も。

 サブタイトルは「かくさしゃかいにまけないよ」。「かくさしゃかい」とは、実際にイベントで自分が窮状におかれている理由として、筆談で使った言葉。実はドアラには新マスコットの登場でリストラされそうになったことがある。残留をかけ、努力を重ねたドアラに、本書の最後に球団広報、石黒哲男さんからの温かいメッセージが。そこに「思わず泣けた」という人も多いとか。

    ◇

 2刷12万部

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