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売れてる本

はじめての課長の教科書 [著]酒井穣

[掲載]2008年05月04日
[評者]小柳学(編集者)

 課長が大変だ。中間管理職で「業務量が過大」という悩みをあげている人が4割も(「日本の中間管理職白書07」)。課長になりたくない若者も増えている。本書は、そんな孤独な課長(管理職の最下位)について、課長が持つべき基本スキル、社内政治の生き抜き方、部長になるパターン、問題社員への対処法などを解説している。

 たとえば「基本スキル」の章では、部下の失敗をそのまま部長や経営者に伝えないこと。部下をほめるときは人前で、叱(しか)るときは人陰で、と説かれる。

 課長の最も大切な仕事は、「部下のモチベーション管理」と経営者でもある著者はいう。優秀な中間管理職の存在こそ、日本の企業がもともともっていた強みだというスタンスだ。

 「経営者のマネジメントの本や一般社員の心構えの本はたくさんありましたが、課長の本は意外なことにほとんどありませんでした」と担当編集の原典宏さん。

 当初、課長だけではマーケットが少ないのではと心配していた。が、いざ刊行されると「非正規社員との仕事で、本に書かれていることが役に立った」といった感想が届くなど、一般社員にも「課長的」な仕事がゆだねられている社会状況の中で、読者層が広がっているようだ。また、「読んで上司をチェックした」といった逆評価のための使い方もされている。

 読者層は、20〜40代前半が中心、男性が8割近くを占める。

 長く続いた就職氷河期がいっとき緩み、昨年今年と新卒の採用が増えた。入社して10年、はじめて部下をもつようになった課長もいる中で、「課長入門書」が需要に応えている。

   ◇

 8刷9万部

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