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上地雄輔物語 [著]上地雄輔

[掲載]2008年8月24日

  • [評者]瀧井朝世(ライター)

 クイズ番組での珍解答で注目され、グループ「羞恥心(しゅうちしん)」で出した歌がヒットを飛ばし、ブログも大人気。とはいえこの売れ方は尋常じゃない。今年7月末の刊行前、特典つきということもあり版元への予約数は約6万件。それを考慮し初版部数は異例の15万部。それでも発売当日に5万部の重版決定、そしてあっという間に38万部。

 幼少から現在までを語るフォト&エッセー。ブログで紹介したエピソードなどを再構成、文体、手書き文字、写真の撮影場所、デザインや紙質に至るまで著者自身がこだわった。過密スケジュールの中、番組収録後に編集部にやってきては原稿チェックを重ねていたという。

 天真爛漫(らんまん)であると同時に、男気を感じさせる内容。周囲への愛情と感謝にあふれ、人柄のよさがよく分かる。「彼の格好つけない素直さ、そして明るさを時代が求めていたんだと感じます」と営業部の佐賀徹さん。

 つらい体験にも触れる。野球部で捕手として松坂大輔投手ともバッテリーを組んだ高校生時代、負傷して味わった挫折。大切な先輩や、兄貴的存在を亡くした時の涙。「いろんな出会いと別れのある人生を歩んでいて、まるで物語のよう。どんなことでもブログで率直に打ち明ける人間らしさも共感を呼んでいます」と担当編集者の青柳有紀さん。読者は女性が大半、年齢は小学校低学年から70代まで。「元気が出た」という声が圧倒的。

 著者は企画当初、それがいかに大変な数字か知らず「30万部いくから!」と宣言したとか。達成した今「ミラクルボーイとはこういう人のことかと思う」と青柳さん。このミラクル、まだまだ記録を伸ばしそう。

    ◇

 6刷・38万部

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