人に強くなる極意 [著]佐藤優

2013年10月16日

■頭を使って“図太い人”になりどんな相手にもびびらない

 八つのテーマに沿って著者の信念が描かれている。「怒らない」「びびらない」「飾らない」「侮らない」「断らない」「お金に振り回されない」「あきらめない」「先送りしない」と、いずれも人間力を強化するための“基本技法”だという。
 しかし本書が本当の意味で有益かつ有効となりうる理由は、著者ならではの鋭い分析力にある。たとえば、権力の中枢にいただけに、我が国の官僚の「職業的良心」「価値観」、そして彼らが一番気にしていることは何かといったことについての洞察はさすがだ。
 しかも、「標準的な努力ができる人なら確実に実行できる」技法というだけあって、どのアドバイスも実践的である。多くのビジネスパーソンは、組織のなかで何らかの葛藤、悩みを抱えているが、著者の差し出す処方箋(せん)は明快だ。さすがに官僚組織のなかで辛酸をなめ、社会的なバッシングの嵐のなかで生き抜いてきただけのことはある。
 今後、日本は今まで以上に急激な変革の嵐に巻き込まれることが予測される。新たな時代をくぐりぬけるためには何らかの行動指針が必要だ。本書はその強力な一助となるにちがいない。

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