英国人記者が見た——連合国戦勝史観の虚妄 [著]ヘンリー・S・ストークス

2014年03月19日

■日本滞在50年の英国人記者によるきわめて論争的な「日本の戦後論」

 著者は、1964年にフィナンシャル・タイムズ社の初代東京支局長として訪日した。78年にはニューヨーク・タイムズ東京支局長を歴任し、作家の三島由紀夫と最も親しかった外国人記者としても知られる。本書がきわめて論争的と思われるのは、靖国参拝、従軍慰安婦など、現代日本のアキレス腱(けん)ともいえるテーマについて、日本を愛する一英国人記者の視点で忌憚(きたん)なく論じているからである。来日時には「日本=戦争犯罪国家」「南京大虐殺」を疑うことなく信じていた。
 ところが、本書で著者は「大東亜戦争は、日本の自衛のための戦い」であり、東京裁判については、裁判の名に値(あたい)しないと断罪し、慰安婦問題には重大な疑義があると主張する。そして、日本は、日本の立場で世界に向けて客観的な事実を訴え続けていかなければ、多くの誤解が歴史的事実として確定してしまうと警鐘を鳴らすのである。いわば、一人ひとりの「日本人が自分で考えねばならない」諸問題に関し、きわめて率直につづった内容となっている。なお、三島由紀夫との交流とエピソードも貴重な記録であり、興味深い。

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