世界のお墓文化紀行―不思議な墓地・美しい霊園をめぐり、さまざまな民族の死生観をひも解く [監修]長江曜子

2016年11月24日

さまざまな民族の死生観を墓地・霊園を通じて紹介

 本書がカラー写真を通じて紹介するのは単なる墓地や霊園の姿ではない。ひと言で「お墓」といっても、葬送の方法や風習の相違を反映し、世界にはさまざまな形態がある。地域や国家、民族の信仰や風土によって驚くような変化も見られる。冒頭、「墓めぐりの旅に出て、その地に息づくユニークな文化や死生観をぜひ読み取ってみてください」とあるが、本書はタイトルが示すように「文化紀行」なのだ。「不思議なお墓」「聖地・遺跡となった墓地・葬地」「大都市の美しい墓地・霊園」とカテゴライズされているが、バラエティーに富んだ光景は、限りある生命を生きる人間の精神世界を伝える。
 古代エジプトのピラミッドから現代の大都市に作られたテーマパーク風の霊園など、美しい風景と共に、私たちは古今東西の壮大ともいえる葬送文化に触れることができる。少子高齢化が進む我が国では、お墓のあり方についての考え方も多種多様なだけに、本書は示唆を与えてくれることだろう。「お墓は、この世で一番、自由に愛や人間らしさを、制約なく表現できる場所」という言葉の意味を考えさせられる。

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