改革 [著]井上康生

2016年12月28日

全階級メダル獲得を達成した井上流・改革の法則

 4年前のロンドン五輪で、史上初の金メダルゼロという惨敗に泣いた全日本男子柔道。しかし、2016年のリオデジャネイロ五輪では、一転して男子全7階級でのメダル獲得を達成した。日本柔道の底力を再び世界に示し、実に52年ぶりの快挙へと導いたのが、監督を務めた井上康生である。全日本の特別コーチだった井上が監督に就任したのは、ロンドン五輪の2カ月半後のこと。「もう一度、日本柔道を輝かせる」という決意のもと、井上の「改革」が始まった。本書には、その軌跡と具体的な対策が井上の言葉で記されている。
 最初に取り組んだのは、誇りを失っていた選手たちの意識改革だった。井上が目指したのは「自ら考え行動する、自立・自律した選手」の育成である。そのために、主流だった根性論を排し、ときには前代未聞の「代表選手見送り」で選手の奮起を促し、内向きの姿勢を改め世界に目を向けさせた。メンタル面から技術・戦略、風通しのよい組織づくり、リーダーに求められる資質まで、日本男子柔道を勝利へと導いた法則は、柔道に限らず、停滞するあらゆる組織再生へのヒントに満ちている。

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