弘兼流―60歳からの手ぶら人生 [著]弘兼憲史

2017年02月23日

元気なうちに身辺を整理し残りの人生をより良く生きる

 納得のいく「死に様を迎える」ためには相応の準備が必要と著者はいう。わけても60歳以降は、残りの人生を歩むために必要な荷物を極力少なくして、「身軽に生きる」ことを勧める。ものを捨てられないのは、今の生活の維持にこだわるからだが、そもそも起承転結の「結」にあたる60歳以降は人生の縮小期ではないかと著者の考え方は実に明瞭だ。そうはいっても、とかく見栄が邪魔したり、さまざまなこだわりが捨てられなかったりした人に、本書に登場するアドバイスは参考になる。
 たとえば、洋服、名刺、蔵書を整理するだけではなく、自宅で「とりあえずテレビをつけておく」といったこれまでの習慣を見直す、打算で子どもや孫にお金をあげない、要はお金に振り回されないといった具合だ。人間関係についても著者ならではの考え方に納得させられる。腹の立つ人や迷惑な人からも学ぶべきことはあるといった発想の転換、社会から孤立するのではなく「孤独力」をつけて楽しむといった決意、老いも成長の一つであり、身の丈に合わせてサイズダウンするといった言葉に励まされるのである。

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