江戸料理大全―将軍も愛した当代一の老舗料亭300年受け継がれる八百善の献立、調理技術から歴史まで [著]栗山善四郎

2017年02月23日

300年の暖簾を守る老舗料亭が江戸料理の粋を伝える

 1717(享保2)年創業、広重や国貞の浮世絵にも描かれ、江戸随一の料理屋とうたわれた八百善。300年に亘(わた)って暖簾(のれん)を守り続けてきた老舗料亭が、江戸料理の献立と技を、詳しい手順とともに解説したのが本書である。江戸時代から続く料亭のほとんどが消失した今、江戸の味と文化を伝える貴重な記録といえる。八百善では、豊富な江戸前の魚介類と新鮮な野菜を生かした伝統的な作り方を、各時代の当主がアレンジしながら受け継いできた。それら5000以上もの献立の中から、特に現代に伝えたいもの、八百善らしいものを、現在の10代目当主が約130品厳選した。
 鬼平が食べていたであろう「ねぎま鍋」から、長崎風として話題を集めた卓袱(しっぽく)料理まで、美しい写真とともに紹介される料理の数々。八百善オリジナルのほか、平目の漬け込みなど、賄いから生まれた裏料理にもセンスが光る。また、大根を料理の道具として利用するなど直伝の技も見逃せない。旬を大切にした江戸料理の粋を伝える本書からは、八百善の料理スタイルの変遷や、震災・空襲などの災難から幾度となく再生してきた歴史も浮き彫りとなる。

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