ブラック化する学校―少子化なのに、なぜ先生は忙しくなったのか? [著]前屋毅

2017年02月23日

子どもたちが学ぶ場で、いま何が起きているのか!?

 冒頭から衝撃的な調査結果が並ぶ。小中学校教員の労働時間は労働者全般の平均より2時間半~3時間長い。読書時間は1日わずか13分。精神疾患による高い休職率。公立中学では4人に1人が非正規教員という地域も……。マスコミでしばしば教員の忙しさが報道されるが、それをはるかに超える過酷な現実だ。
 なぜ先生はこうも多忙になったのか? いじめや不登校の問題が減る気配が見えないのはなぜか? その答えを探るべく、教育現場を丹念に取材し、実態を明らかにしたのが本書である。そういうと、いわゆるモンスターペアレントの問題だろうと思うかもしれない。部活の顧問が負担になっているともよく聞く。しかし、それだけが原因ではなく、教育委員会や国、社会からの要請が私たちの思っている以上に増大していることが明かされる。それが“学校のブラック化”の一番の要因だというのだ。
 著者は、改善のための多くの提言をしているが、なにより現状を正しく理解することが重要と強調する。学校は未来をになう子どもたちが学ぶ場であるとともに、社会の縮図でもある。子を持つ親、教育関係者だけでなく、すべての大人が知恵を出し合うためにも本書は有益だろう。

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