芸人迷子 [著]ユウキロック

2017年02月23日

終わりのない闘いに挑み続ける芸人の記録

 2014年に解散したお笑いコンビ「ハリガネロック」。そのボケ担当だったユウキロックが解散までの日々をつづった自叙伝である。ぬるい感傷を排し、青春の日々を懐かしむ甘さもない。ただ己と向き合い、闘い続けた男の血を吐くような独白があるだけだ。数あるタレント本の一種と侮っていると、とんでもない一撃を食らうだろう。
 ハリガネロックは、ユウキと大上邦博によって1995年に結成された。第1回 M-1グランプリ準優勝や第4回爆笑オンエアバトル優勝など、華々しい栄光を手にしてきた。しかし、才能豊かな芸人たちが生存をかけてしのぎを削る世界。思うような結果を出せない焦りはユウキを消耗させ、迷走させた。そんな相方に対して大上は沈黙を通し、2人の溝は深まっていく。迷いに迷った解散は「THE MANZAI 2013」での失敗で踏ん切りがついた。そこに至るまでのひりひりするような 藤が、二十数年の芸人人生の回想を交えて記されている。
 お笑いに関心がなくても、挫折を経験した人なら本書に深く共感するだろう。そして、挫折から立ち上がり一歩を踏み出す強さは、あらゆる人を勇気づける。

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