古き謎の神―十二様は知っていた―ヤマトタケルの愛妃キヨ姫とその塚守り一族の物語 [著]都丸弥三郎

2017年03月23日

悲劇のヒーロー、ヤマトタケル伝説の真相に迫る

 日本神話の英雄として知られるヤマトタケル。古事記の記述を拾ってみると、悲劇の主人公の色合いが強い。父・景行天皇に疎まれて東征に向かう途中、海を静めるために后(きさき)の弟橘比売(おとたちばなひめ)が自ら入水。「吾妻はや」(わが妻よ)と嘆いたことから、東国をアヅマと呼ぶようになったという。数々の苦難の末、若くして没したタケルの魂は白鳥となって大和を目指したとされる。
 本書はこうしたヤマトタケルの伝説に真っ向から異を唱える。父を恨み心がすさんでいたヤマトタケルは、現在の群馬県片品村でキヨ姫という女性と結婚。キヨ姫の影響で平和を愛する人物に生まれ変わったとの説を展開する。しかし、キヨ姫は流産によって母子ともに他界。悲しみにくれたタケルは自ら塚を築き、塚を守るための守人を姫の故郷の越の国から呼び寄せたという。その塚守りが著者の祖先のトマル一族で、十二様と呼ばれる神を祀(まつ)る。著者は故郷である北群馬を歩き、十二様に祈ることで自分のルーツと伝説に隠されたヤマトタケル像を知ったとのことだ。超常現象の解釈に加え、漢字を分解して判読する謎解きに引き込まれる。

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