韓国人による北韓論 [著]シンシアリー

2017年03月23日

不明な北朝鮮情勢を分析し日本の進むべき方向を示唆する

 これまで著者は韓国が日本に対して抱く「反日」感情を取り上げ、歴史資料を含むさまざまなデータに基づいて論じてきた。シリーズ7冊目にあたる本書では、北朝鮮と韓国を比較しつつ、その知られざる姿をあぶり出す。まず、北朝鮮も韓国同様、その根幹には反日、抗日があると著者は断言する。金王朝の支配を前提とし、その歴史を正当化するためには抗日闘争を根幹にすえるしかないという。その一方で、「韓国で北朝鮮を『国』と呼んだら『国家保安法違反』」という記述にあるように、両国が緊張関係にあることは間違いない。
 そうしたなかで、北朝鮮では、マルクス主義という政治思想ではなく宗教思想が体制維持の原動力となっていること、核兵器は国家の思想を支えるいわば「聖物」であるなど、その舌鋒(ぜっぽう)は鋭い。また脱北者の自殺率は韓国人の3倍にのぼるといったデータを紹介し、人々の知られざる現実を明らかにする。さらに注目すべきは南北の軍事バランスが崩壊する可能性を説くくだりだろう。核開発、さらにはトランプ大統領の政治戦略など、我が国の安全保障においても重要な視点に着目したい。

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