Gマン 宿命の銃弾 [著]スティーヴン・ハンター [訳]公手成幸

2017年04月27日

伝説のヒーローが活躍する圧巻のアクション小説

 上下巻900頁(ページ)近くを一気に読ませる躍動感と緊迫感に満ちている。大御所といってもよい作家だが、シリーズ15作目とは思えぬ若々しい筆致はいささかも衰えることがない。名スナイパーとして名を馳(は)せた退役軍人のボブ・リー・スワガーは、自宅の土地から偶然、政府所有の銃と捜査局のバッジ、そして謎の地図が発見されたことから、彼の祖父チャールズのたどった人生を丹念に調査することになる。ギャングたちが銀行強盗と抗争に明け暮れた1934年、祖父の人生に一体何が起きたのか。
 著者は実際のアメリカ史を丹念にひもとき、流行や風俗をはじめ、細部に至るまで当時の社会をありありと再現しつつ、事件にかかわる人々の心情を浮き彫りにする。動物的な本能を受け継ぐボブと祖父チャールズは、時を超えて信頼という絆で結ばれているかのようだ。加えて、悪役として登場する通称「ベビーフェイス」やデリンジャーたちも1934年という時代背景のなかで生き生きと動き回る。彼らは実在の人物であり、取り上げられた凶悪な事件や彼らの壮絶な最期が史実に基づいていることにも驚かされる。

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