自分の中に孤独を抱け [著]岡本太郎

2017年04月27日

丸くなるな、とんがって生きろ いまも輝きを放つメッセージ

 「孤独であるからこそ、無限の視野がひらける」。まさに言葉通り、孤独をしっかりと抱きしめたまま、人生を突っ走った芸術家・岡本太郎。本書は全編を通じ、逃げ道を作らず、生命力みなぎる言葉が続く。
 人はしばしば、分際をわきまえて謙虚に生きようとする。そうすれば確かに人生は安全だろう。けれども、自ら可能性を捨てていないだろうか、と岡本は問う。自分を守って小さくまとまるのではなく、ふりかかる災いには「はればれと立ち向かう」。そして、たったひとりでも、弱いなら弱いまま、「誇らかに生きる」。子どもの頃から社会との軋轢(あつれき)に苦しみ、暗い青春時代を送った末に、自らを追い詰めて獲得した境地だ。力強いメッセージに、勇気をもらう人は多いだろう。
 人は何のために生きるのかとの問いに、「闘うためだよ」と岡本。とかく丸くなることが求められがちな日本社会で、円満を捨て、常にとんがったコンペイ糖でいたいという言葉は刺激的だ。そうやってスジを通して生きた人の、取り繕わない言葉がまっすぐに届く。

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