人生の視点を変えるレッスン バナナを逆からむいてみたら [著]アーチャン・ブラーム [訳]畔上 司

2017年06月29日

人生の視点を変えるレッスン バナナを逆からむいてみたら

視点を変えれば、人生はもっと豊かで楽しくなる

 本書の風変わりな書名には深い意味がある。私たちは通常、バナナを食べる時には柄の方からむく。ところが、サルのむき方は逆側からだ。実は、この方がずっとラクなのだという。バナナと同じことは「人生の悩み」についてもいえる、というのが本書の主張。人生を通常とは違った方向から見れば、はるかにラクに生きられることを説く。指南するのはオーストラリアで活躍する仏教僧。「瞑想(めいそう)の師」として世界各国で引っ張りだこの作家である。
 とはいえ、本書に収められた32の説話は、およそ仏教僧らしからぬ軽妙な語り口である。犬のフンを踏んだら喜んでリンゴの木の下に行くこと。そこで足をぬぐえばリンゴは甘い果実をつけてくれるかもしれない。そんなたとえで、苦難が人生を実り多くしてくれることを納得させる。あるいは、私たちの体はもともと壊れ物で、いつか死ぬ運命にある。だから今を大切に生きる必要があると語る。そうした身近な話や寓話(ぐうわ)によって、時にユーモラスに、時にしんみりと、人生で大事なことを伝える。とらわれていたことから一歩離れて、心が軽くなる読後感である。

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