赤い靴はいてた女の子 紐育(ニューヨーク)編―那須白河がニューヨークになる日 [著]金山屯

2017年06月29日

赤い靴はいてた女の子 紐育編―那須白河がニューヨークになる日

福島の子どもたちを守りたい平和への思いを紡ぐファンタジー

 野口雨情の童謡「赤い靴」のモデルになったといわれ、9歳で亡くなった「きみちゃん」。前作に続き、きみちゃんがキーパーソンとなり、日米をまたいだ壮大なファンタジーが繰り広げられる。今回著者は、赤とんぼになったきみちゃんに導かれてニューヨークへ。2001年に起きた9.11テロの跡地には、実体のない金色のビルが浮かび上がり、たくさんの女の子や大人の女性が集まっていた。彼女たちの正体は、1927年に親善人形としてアメリカから日本に贈られた青い目の人形と、その返礼としてアメリカへ贈られた日本人形、そして、東北出身の遊女たちの怨霊だった。世界で起きている数々の争いごとは、すべて男たちが起こしてきた。だから、女たちの手で平和を取り戻そう、との思いから集結していたのだった。
 著者は福島県在住で、東日本大震災の被災者、とりわけ原発事故で被曝(ひばく)の危険にさらされている子どもたちのために、何ができるかを模索してきた。本作でも、その思いは随所にあふれている。亡くなった愛馬メアリーや愛犬ベティの思い出を織り交ぜながら、平和への熱いメッセージがつづられる。

関連記事

ページトップへ戻る