響~小説家になる方法~ [作]柳本光晴

2016年12月21日

■芥川・直木賞同時ノミネート! はたして結果は?

 文芸誌「木蓮(もくれん)」編集者の花井ふみは、新人賞に送られてきた一編の応募原稿に強い衝撃を受ける。そこには見たことがない世界が広がっていた。作者の名は鮎喰響(あくいひびき)。のちに15歳の女子高生と判明する!
 なんといっても、響のキャラクターが強烈だ。小柄で黒髪に眼鏡という、イメージ通りの文学少女でありながら、常人には〝狂気〟としか思えない性質も持っている。上級生の指をへし折り、初対面の芥川賞作家の顔面に蹴(け)りを見舞い、新人賞の授賞式では同期受賞者をイスで殴りつける。すべてに理由はあるのだが、いずれ警察のやっかいになるのではと心配になる。
 そんな響を中心に、翻弄される大人と作家たちが登場する。決して顔出ししない恋愛小説の大家・吉野桔梗(ききょう)、肉体労働をしながら何度も芥川賞にノミネートされている山本春平、響の高校の先輩で人気作家の二世として華々しくデビューしたリカ。それぞれの苦悩を通じて、才能とは、文学とは何かを考えさせられる。
 見事「木蓮」新人賞を受賞した響の小説『お伽(とぎ)の庭』は、やがて芥川賞と直木賞に同時ノミネートされる。はたして史上初の「芥川・直木賞ダブル受賞」は達成されるのか? 第1集から最新第5集まで一気に読んでしまう快作だ。
    ◇
「ビッグコミックスペリオール」連載中

関連記事

ページトップへ戻る