AI(アイ)の遺電子 [作]山田胡瓜

2016年12月21日

■まさしく“近未来版ブラック・ジャック”!

 人間と同じ知性と感情を持ち、人権が認められた人間そっくりのAI(人工知能)が「ヒューマノイド」と呼ばれ、人口の1割を占めている近未来社会。彼らは人間と同じく社会生活を営み、家庭も持つ。機械として扱われるロボットも存在するが、ヒューマノイドとは厳格に区別されている。人間そっくりの心と体を持つヒューマノイドはときに「病」になり、人工知能専門医の須堂のもとを訪れる――。
 一話完結型の医療マンガ、須堂が闇医者の顔も持っていること、助手が天然の女性ヒューマノイド、そして「週刊少年チャンピオン」連載、といった数々の類似から“近未来版ブラック・ジャック”と呼ばれるのも納得できる。
 驚くのは毎回の完成度の高さだ。一話完結型の秀作は珍しくないが、これだけのクオリティーで週刊連載している作品となると、本当に『ブラック・ジャック』以来かもしれない。未来社会ならではのテクノロジーも描かれるが、中心になっているのは極めて人間的な心と体の悩み。タイトルでAIに「アイ」とルビを振っていることからもわかるように、愛が大きなテーマとなっている。抑制が利き、ときにほろ苦い余韻を残す演出も実に文学的だ。
 今月発売された第4巻では、同性愛に悩むヒューマノイド、交換した声帯の優秀さに戸惑う歌手、自分を人間だと言い張る旧式ロボットなどが登場。一話ずつ、じっくり時間をかけて味わっていただきたい。
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「週刊少年チャンピオン」連載中

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