〈女優・のんのコミック感想文 のんびりーでぃんぐ〉スローモーションをもう一度 [作]加納梨衣

2017年04月19日

のん

■好きなものは好き! それでいいのだ!!

 初めて装丁を拝見したとき、80年代の話なのかと思いました。ページを開いてみると、現代を生きる高校生、大滝くんがその時代が大好きという設定で、80年代の格別に輝くアイドルたちやゲーム、ポケベルなどがこの平成の時代に出てくるのが楽しかったです。
 ダサい奴になってはいけない、多数派の皆と同じでなければいけない。だから、80年代アイドルが大好きということは周りの友だちには言わないようにしている大滝くん。ところがクラスメートの女子、薬師丸さんが同じ趣味を持っていることを知り2人の仲が縮まっていく。馬鹿にされると思っていた自分の趣味が、人と共有できたときの喜びがダイレクトに伝わってきました。2人の好きなものへの愛情も相手に対する親近感も、回を重ねるごとにとてもまっすぐでひたむきになっていくのがすごく好きです。そして、2人の間に流れるそわそわむずがゆいものが、友情なのか恋なのかどっちなんだろう? とドキドキさせられました。
 個人的には、アイドルの格好をした薬師丸さんのドレスや髪形を見るのがすごく好きでした! ヒラヒラのフリルや、きゅんとするおくれ毛、かっこいいビキニ! あと、高校の制服を着ているときに、靴下を三つ折りにしているのがツボでした。
 自分の趣味をダサいと感じていながらも、好きな気持ちを突き通しているのが良いなあと思いました。好きなものは好き、それでいいのだと改めて感じました。それとも、意外と周りの誰かに自分の好きなものをひた隠しにしている人がたくさんいるのでしょうか!? 私は、幼稚園から中学生まで顔なじみの同級生の子たちが、同じメンバーでそのまま学年が上がっていたので、それぞれ好みはあれど違う趣味を持っているのが普通でした。なのであんまり隠さない人に育ってしまったのですが、自分の周りに大滝くんや薬師丸さんのような人がいるかもしれないと考えると楽しくなってきました。わくわく。

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