CITY [作]あらゐけいいち

2017年05月17日

■非日常的な日常を描く、あらゐワールド最新型

 実に風変わりな味わいの作品だ。温かくポップな絵柄、人を食ったシュールな展開、オフビートなギャグに古典的リアクション。今までにない作風で、ハマる人はとことんハマる独特の魅力を持っている。
 女子大生の南雲(なぐも)を中心に、後輩の新倉(にーくら)、「洋食マカベ」を営む真壁家、彼らを盗撮する安達太良(あだたら)博士、不思議少女の泉、最強の戦闘力を持つ御婆(おばば)など、一筋縄ではいかない人たちが次々と登場。思わぬところでつながっている彼らの日常を描く群像コメディーだ。
 舞台となる商店街の町並みが20世紀的で、ほんわかとした懐かしさを感じさせるのも大きな魅力だろう。地域の交流が深く、人々が自然につながっていた古き良き時代を思い出す。
 基本的に一話完結型だが、ストーリーはゆるやかに続いていく。第1巻に収録された第5話の続きが第2巻の第23話で描かれるなど、キャラクターだけでなく、エピソードも意外なところでつながる。思わせぶりだが意味のない第1巻のオープニングや、第2巻の目次が最終ページにあるなど、前衛的な小ネタも多い。一見、日常的なのに非日常的。シュールなのに気持ちが和む。ぜひ手に取って、その独特の世界観を味わっていただきたい。
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「モーニング」連載中

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