〈女優・のんのコミック感想文 のんびりーでぃんぐ〉舟を編む [原作]三浦しをん[漫画]雲田はるこ

2017年07月19日

のん

舟を編む 上巻

■言葉を知ることは感情と日常を豊かにする

 辞書を作る。その作業がどんな人たちによって行われているのか、考えたことがありませんでした。
 大げさなドラマはないのに、辞書を作っているメンバーのストーリーと絡めながら、段々辞書が出来上がっていくのが軽やかに、鮮やかに描かれていて、度々くすっと笑いながら楽しむことができました。
 言葉の意味を考える。とても難しいことですが、誰かと話すとき、自分の感じていることを整理するとき、相手の反応を見極めるとき、どんな言葉がふさわしいのか探したり、頭を悩ませたりすることは、生活の中で多々あります。馬締(まじめ)光也が初めての感情を抱いたときに「これがまさに天にも昇る気持ちというものだな……」など、気付いた感情に言葉を付けていくのが面白かったです。自分の気持ちや状況をうまく言い表せた時ってなんというかすごく気持ちが良い!
言葉は日常とともにある。辞書は勉強のためだけのものではない。言葉を知るというのは自分の中の感情や捉え方がどんどん増えていくことなのだと思いました。そうすることで、いつもの日常が豊かになっていく。「大渡海」を手元に置きたい! 辞書へのロマンを感じる素敵なマンガでした。

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