うたかたダイアログ [作]稲井カオル

2017年07月19日

さすが大阪人!
■「何も起こらない男女の日常」がこんなに面白い!
 偏見かもしれないが、他県の人に比べて大阪出身の人は「お笑いの偏差値」が明らかに高いように思う。ごく普通の日常会話でも自然と笑いを誘われる。調べてみると、本作の作者・稲井カオルもやはり大阪出身だった!
 ドラッグストアでアルバイトしている高校生の宇多川と片野。一見怖そうな金髪ヤンキーだが、実は宇多川に片想いしている純情男子の片野に対し、宇多川は飄々(ひょうひょう)としながらキレキレのボケをかます“面白いヒロイン”だ。好きなおでんは白滝とつぶ貝とロールキャベツ。ホーミー(高さの異なるふたつの声を同時に出すモンゴルの歌唱法)ができるという女子高生らしからぬ特技も持っている。
 物語はふたりの会話が中心。仲のいいバイト仲間だが恋愛に発展しそうな気配は薄く、ラブコメといってもコメディーの比重が極めて高い。『うたかたダイアログ』という印象的なタイトルは、「泡のような会話(ムダ話)」と「宇多川(うた)と片野(かた)の会話」のダブルミーニングになっている。
 その会話のひとつひとつが、とにかく面白い!
どこにでもある日常を描きながら、会話だけでここまで笑える少女マンガというのも珍しいだろう。
    ◇
「ザ花とゆめ」連載中

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