イサック [原作]真刈信二 [漫画]DOUBLE-S

2017年07月19日

ヨーロッパに渡ったサムライ
■三十年戦争で活躍した日本人傭兵(ようへい)を描く歴史ロマン
 三十年戦争の渦中だった1620年の神聖ローマ帝国。プファルツ選帝侯領(ドイツ南西部)のフックスブルク城に、「イサック」と名乗る日本人傭兵が現れる。日本製の火縄銃で敵将を狙撃し、たった一発で勇猛なスペイン軍を撃退したイサックは、仇(かたき)を追ってヨーロッパまでやって来た。「親方を殺し、大事なものを奪って逃げた」ロレンツォという仇はスペインの傭兵になっているという。
 原作は『勇午』や『スパイの家』で知られる真刈信二、作画は『死がふたりを分かつまで』のDOUBLE―S。真刈の大胆な発想と正確な時代考証に加え、DOUBLE―Sが細部まで描き込んだ生々しい戦場の描写に圧倒される。
 実に奇抜な設定だが、決して荒唐無稽とは言えない。1620年といえば、日本では長かった戦国時代が終わり、徳川家康が江戸幕府を開いた直後。当時、実際に多くの武士が傭兵となって海を渡ったという。その中には、イサックのように遠くヨーロッパまで流れていった者もあるいは――。“ヨーロッパに渡ったサムライ”が実在した可能性はあり、そのロマンにワクワクさせられる。物語はまだ始まったばかりだが、スケールの大きな大長編になるのは間違いないだろう。
    ◇
「アフタヌーン」連載中

関連記事

ページトップへ戻る