〈私のコミック履歴書〉俳優 神木隆之介

2017年09月20日

かみき・りゅうのすけ(俳優)

『3月のライオン』13

棋士の生き様に感動

――幅広く読んでいると思いますが、特に好きなジャンルはありますか。
神木 学生時代も色々な漫画を読んでいましたが、高校後半から少女マンガにハマりました。『ストロボ・エッジ』『アオハライド』『春待つ僕ら』『オオカミ少女と黒王子』……。最初は女の子にモテたくて読み始めたんです。

――神木さんでも?
神木 男子はみんな思っていると思います(笑) モテるヒントを探そうと思って読み始めたら面白くて、読者として普通にハマっていきました。少女マンガ原作の映画では『脳内ポイズンベリー』に出させて頂きましたが、今度はきちんと恋愛をする役を演じてみたいです(笑)。今はマンガの実写化ってたくさんあるので、本当にマンガが好きになって良かったな、と思います。作品ごとにいろいろなキャラクターが出てくるし、フィクションといってもリアリティーのある日常が描かれているので、役作りを考える上でもすごく参考になるんです。

――映画で主演された『3月のライオン』は、もともと愛読していたそうですね。
神木 はい、最初は人に勧められて読み始めました。おじいちゃんと将棋を指していて将棋にも少しなじみがあったんです。でも読み進めていくと、これは将棋マンガではなくて、「将棋を通してのヒューマンドラマ」なんだな、と。だから、まったく将棋を知らない人でも問題なく楽しめると思います。

――作品としてはどんなところに魅力を感じましたか。
神木 棋士の生き様が描かれているところです。主人公の桐山零(れい)をはじめ、棋士たちが命をかけて戦っている。今まで生きてきた自分をぶつけて、プライドを持って、そのプライドをへし折られても戦い続ける……。なんてカッコいい人たちなんだろう、と感動しました。その後、自分でも演じてみて「やっぱりすごいんだな」と改めて実感しました。痛みを肌で感じられるようになって。

――神木さんが演じた零はどんな人間だと思いましたか。
神木 零は獣です。(大友啓史)監督が言ってたのですが、「心の中にライオンを飼っている羊」。線は細いけれども、外見とそぐわない強さを持っていて、いざとなるとどんな相手にもひるまず立ち向かっていく。その分、日常生活では危うい部分もあって、そこがすごく魅力的な人間だと思いました。無口で人見知りっぽいけど、きちんと話すときは話すし、意外と社交的なところもある。演じる上では難しいキャラクターでもありました。

――神木さん自身と零の共通点を挙げるなら?
神木 猫背なのと冷蔵庫が空っぽなところは一緒でした(笑)。あと、負けず嫌いなところも同じです。将棋って年は関係ないと思うんです。加藤一二三九段と藤井聡太四段はおじいちゃんと孫くらい年齢差があるのに、お互い本気で相手を倒しにいっていた。もちろんキャリアは重要ですが、若いほうが勝つこともいくらでもあって、盤上では平等なんです。そこがすごく気持ちいいし、役者の世界にも通じると思いました。

――零以外で、特に好きなキャラクターはいますか。
神木 零のライバルで親友でもある二海堂は好きです。映画では染谷(将太)くんが二海堂を演じてくれたのも嬉しかったです。二海堂と零の関係は僕と染谷くんにもよく似ています。どちらかというと、僕が二海堂のテンションなんですけど(笑)。染谷くんは同世代のライバルでもあり、仲間でもあり、本当に尊敬できる人間なんです。零も二海堂のことをそう思っているから一緒にいるんだと思います。

    ◇

かみき・りゅうのすけ(俳優)
1993年、埼玉県生まれ。映画『桐島、部活やめるってよ』『バクマン。』などに主演。桐山零を演じた『3月のライオン』のBlu-ray&DVDは9月27日に前編、10月18日に後編が発売される。また、10月12日よりスタートするドラマ「刑事ゆがみ」(CX系)に出演する。

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