赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD [作]山本おさむ

2017年12月20日

終戦直後、ハリウッドに吹き荒れた「赤狩り」の嵐

 オードリー・ヘプバーンを一躍世界的スターにした名作『ローマの休日』は、長いことイアン・マクレラン・ハンターが脚本を書いたと言われていた。しかし、実はドルトン・トランボが友人のハンターに名前を借りて書いたもの。トランボ没後にその事実が公表され、1993年には彼に改めてアカデミー原案賞が贈られている。トランボはなぜ名前を出せなかったのか? その背景には大々的な共産主義者弾圧、いわゆる“赤狩り”があった。
 1947年、ソ連に脅威を感じたFBIのフーヴァー長官は、アメリカから共産主義を一掃しようと考える。見せしめに選ばれたのが華やかな映画界。非米活動委員会(HUAC)第1回聴聞会で、共産党員のトランボなど10人の脚本家や監督が証言を拒否してハリウッドから追放された。
 盗撮や盗聴など非合法な手段を駆使して共産主義者を監視するFBI。抵抗むなしく葬られるトランボたち共産主義者。言論・表現の自由を守るため彼らを支援しようとするウィリアム・ワイラー監督。共産主義を嫌って積極的にFBIに情報を提供したウォルト・ディズニーやロナルド・レーガン――。多くの実在した人物の思惑が入り乱れて、物語は重厚に進んでいく。

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