BEASTARS [作]板垣巴留

2017年12月20日

多感な少年少女を描く“動物版ヒューマンドラマ”

 舞台は肉食動物と草食動物が共存する異世界。最大のタブーは「肉を食べる」ことで、肉食獣も(表向きは)卵や乳製品でガマンしている。彼らは人間のように服を着て二足歩行する。首から下はほぼ人間だが、頭部は動物のままなので、単純に「可愛い」とはいえない独特の擬人化だ。
 ハイイロオオカミのレゴシは、チェリートン学園演劇部美術チームに所属する高校2年生。彼を中心に文化系高校生のリアルな学園ドラマが描かれる。オオカミなのに繊細で引っ込み思案のレゴシ、ヒロインなのに「ビッチ」なウサギのハル、肉食獣の上に立とうと奮闘するアカシカのルイなど、どのキャラクターも一筋縄ではいかない。
 肉食獣と草食獣の関係は人種や階級、あるいは男女の隠喩(いんゆ)とも受け取れるし、多くの矛盾と問題をはらんだ社会は私たちの社会そのものだ。擬人化というよりも、多種多様な人間たちを動物に擬した“擬動物化マンガ”と呼んだほうがいいかもしれない。
 今月発売された第6巻で、レゴシとハルはついに一夜をともにすることに。はたして愛は種(しゅ)の壁を超えられるのか? 一方、アウトロー集団シシ組に乗り込んだルイには、誰にも予想できない運命が待っていた!

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「週刊少年チャンピオン」連載中

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