二月の勝者 ―絶対合格の教室― [作]高瀬志帆

2018年02月21日

最強最悪の塾講師、登場!

 もはや東京の小学生にとって、中学受験はまったく特別なものではなくなっている。ほとんどの学校が2月1日に試験を行うが、森上教育研究所によると昨年この日に私立中学を受験した児童は3万6888人。しかし、開成や麻布など誰もが知っている「トップ校」に入れるのは1割程度しかいないという。
 佐倉麻衣(まい)は中堅の中学受験塾「桜花ゼミナール」吉祥寺校の新人講師。彼女の目を通して、名門塾フェニックスから移籍してきた異色の校長・黒木蔵人(くろうど)の姿が描かれていく。
 若くして校長に抜擢された黒木は極めて優秀な講師のようだが、教育に対する情熱や子どもへの愛情は一切感じられない。「親はスポンサー」「凡人こそ中学受験をすべき」と公言し、周囲に波紋を起こしていく。名門校にいた黒木は何を考えて二流校にやって来たのか? ミステリアスなダークヒーローは強烈な存在感を放ち、麻衣と同じく、彼の一挙手一投足から目が離せなくなっていく。
 都内の小学6年生約10万人のうち4人に1人が中学受験をする、受験生は1年間で平均150万円を塾に支払っている、など客観的なデータとともに明かされる中学受験の舞台裏も興味深い。

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