〈私のコミック履歴書〉女優 優香

2018年03月22日

『信長を殺した男~本能寺の変431年目の真実~』3/藤堂裕・ 原案/ 明智憲三郎

目からウロコの光秀像

――小さいころはどんなマンガを読んでいましたか。
優香 好きだったのは『ドラゴンボール』ですね。お兄ちゃんがコミックスを集めていて、アニメも観(み)ていました。最近もネットフリックスでずっと観ていたんですけど、特に最初のころの悟空は可愛いですよね。それから『おぼっちゃまくん』。よくマネして親に怒られたりして。今になってみると、よくアニメで放送できたなぁ、と思います(笑)。

――少女マンガはどうですか。
優香 小学生のときは「りぼん」と「なかよし」を両方買っていました。矢沢あいさんの『天使なんかじゃない』とか好きでしたね。あとはお姉ちゃんが持っていた紡木たくさんや岡崎京子さんの作品。少女マンガじゃありませんけど、高校に入ってからは安部譲二さん原作の『RAINBOW』にハマりました。

――とても男臭い作品ですよね。
優香 最初は表紙の絵が好きで衝動買いしたんです。主人公のアンチャンがものすごくカッコよくて、ストーリーも泣けるんですよ。悪役がずっと悪いまま、憎たらしいままなのもいいし、「殴り合って仲良くなる」という男ならではの友情にすごくあこがれて……。

――確かに、女性でそういうことはないだろうと思います。
優香 女の子同士はケンカしないですからね。小学5、6年生のとき仲良くなった体の大きな女の子がいて、その子がすごく凶暴だったんですよ(笑)。よくケンカしたけど、すぐ仲直りして。思えばつかみ合いのケンカなんて、人生の中で唯一その子とだけしたなって……。自分ができないからあこがれるのかもしれません。「男の友情」ものでは『BANANA FISH』も好きです。

――大人になってからは?
優香 20代のとき楳図かずおさんにすごくハマった時期があって、『イアラ』『漂流教室』『神の左手悪魔の右手』など、まとめて読みました。人間の欲望をむき出しに描いているのが魅力ですね。あとは『自殺島』や『彼岸島』のような極限状況を描いたものも好きです。ジャズマンガの『BLUE GIANT』も面白いですよね。主人公の大(だい)がまっすぐで、男の友情もあって。音楽はあまり詳しくないのに、読んでいて興奮しちゃいます。

――最近、お勧めの作品はありますか。
優香 『信長を殺した男』。作者の藤堂裕さんはもともと旦那さんのお友達で、私にサイン本を送ってくれたんです。そんなに歴史に詳しくない私でも楽しめたし、とにかく絵にすごく迫力があって、主人公の明智光秀がおじいちゃんなのにカッコいいんですよ! 藤堂さんの思い入れの強さを感じるし、たくさん勉強されて描いていることが伝わってきます。

――特に面白かったのはどういうところでしょうか。
優香 明智光秀ってそれまでは「裏切り者」のイメージが強かったから目からウロコというか。信長よりもずっと年上だったというのも意外だったし、秀吉のイメージが悪いのも面白いです。歴史が好きな人は、そうやっていろいろな見方ができることにロマンを感じるのかもしれませんね。それから光秀にも子孫がいて、イヤな思いもたくさんしてきたんだろうなと。そんなことも今まで考えたことありませんでしたから。

――好きなエピソードを挙げるなら?
優香 私が女性だからか、第2巻の夫婦愛が描かれたエピソードはぐっと来ました。病気で死にそうになった光秀を奥さんが一生懸命看病して、最後はあんなことに……。女性が目立たない戦国時代でも、彼女のように戦う男を支えていた女性たちがたくさんいたはずですよね。そういう部分がしっかり描かれているのも魅力だと思います。

    ◇

ゆうか。1980年、東京都生まれ。映画『オーバー・フェンス』『ギャラクシー街道』『羊の木』などに出演。4月27日から5月26日まで、東京芸術劇場で舞台『酒と涙とジキルとハイド』に出演予定。

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