ブック・アサヒ・コム1周年 人気書評ランキング

ブック・アサヒ・コム1周年 人気書評ランキング

 ブック・アサヒ・コムは8月10日にサイトオープン1周年を迎えました。マイ本棚会員のみなさまのごひいき、ありがとうございます。
 1周年を記念し、この1年間で多く読まれた書評を紹介します。ネットの話題を反映した時事的な書評が好まれる一方で、電子書籍を読み解く「本の達人」も人気があります。「本の達人」はブック・アサヒ・コムのオリジナルコンテンツで、4人の「達人」が電子書籍の名著を掘り起こします。
 今後もみなさまの読書のお役に立ち、またたくさん読んでいただける記事を発信していきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

東京ロンダリング

■都会の「隙間」に生まれた職業

 事故や事件で人が死んだ部屋に一カ月間だけ住む、というのが主人公りさ子の仕事である。賃貸物件の場合、問題の部屋に一度誰かが入居すれば、それ以降の入居者には事情を説明する義務がなくなるらしい。そこで生まれた職業なのだ。 当然ながら、りさ子は死んだ人間の部屋ばかりに住み続けることにな…もっと読む

毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記

■「透明な鏡」の彼女、男と女の目線映す

 事件が明るみにでたときメディアは色めきたった。魔性の女。婚カツ詐欺師連続殺人。練炭女。 それなのに、と北原は思った。ここには凄惨(せいさん)な暴力のにおいがしない。女の犯罪につきものの湿度がない。共感や同情も一切持ちえない。著者は言う。「ただ私は、木嶋佳苗という女が、全く全く全…もっと読む

「僕のお父さんは東電の社員です」

■根源を掘り起こす小学生の問いかけ

 「突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。」 そんな書き出しの手紙が、毎日小学生新聞の編集部に届いた。送り主は小学6年生のゆうだい君。彼は、元毎日新聞論説委員の北村龍行が書いた「東電は人々のことを考えているか」という文章に反論し、「読んでみて、無責任だ、と思いました」と綴(つ…もっと読む

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

■魅力あふれる壮大な物語

 人類の歴史をコンパクトにまとめた文庫上下巻。2008年の刊行だが、今年に入ってから書店の店頭でよく見かけるようになった。オビには「東大・早稲田・慶應(けいおう)で文庫ランキング1位!」とある。昨年4〜9月の歴史部門の統計結果だ。 著者はシカゴ大学で教鞭(きょうべん)をとっていた…もっと読む

世界史 上 (中公文庫 マ 10-3)

著者:ウィリアム・H. マクニール、William H. McNeill、増田 義郎、佐々木 昭夫  出版社:中央公論新社

婚活したらすごかった (新潮新書)

■初デートで「ホテルに行こう」とは…

 40過ぎでバツ一の著者は、ある日「結婚したい!」と切実に思い始める。では、とネットの婚活サイトや婚活パーティーに飛びこんだら、そこはとんでもない人々が棲息するジャングルだった。その怒涛の婚活体験の記録である。 著者の出会った女たちのキャラが濃ゆい、濃ゆい。会う前に酎ハイを何杯も…もっと読む

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影

■数学者の人生を狂わせたポアンカレ予想

 宇宙はどんな形をしているのか? 高校生のとき、ある有名な天文学者の講演があり、このように質問したところ、「宇宙は詩である」とか答えられ、ごまかされてしまった。だが、誰であれ、宇宙全体の形については、だいたい丸いと想像するのではないか。どこにも穴のあいていない丸(球)のごときものとして、宇宙を思い描くだろう。
 だが、ここでひとつの問題にぶつかる。紙に描かれた丸を、われわれがまさに「丸い」と認識できるのは、その丸が2次元空間(平面)に属していて、われ…続きを読む

道化師の蝶

■石原慎太郎と芥川賞の「オウンゴール」?

 公職にある〝テロリスト〟さながら「間違いすぎ」の発言を繰り返し、そうすることで自身を否定されるべき「恐ろしいもの」として屹立(きつりつ)させつつ、そのような自分が正しく否定=埋葬される期待を暗に抱いている--石原慎太郎についてそう書いたのは3カ月前の本欄だった。
 とはいえ、論理的にはそう結論が導き出せるにしても、現実の彼がそういうひとであると確信していたわけではない。「だったらいいな」と期待しこそすれ、そこまでキュートにマゾヒスティックであるよりは、たんにマッチョなのだろうとタカをくくってもいたのである。
 ところが。そんな石原氏が、またもや期待どおりに「バカみたいな作品ばっかり」と暴言を吐き…続きを読む

中国嫁日記 一

■オタクが他者と出会うとき

 世間では「キモい」とか「非モテ」などと揶揄(やゆ)されるオタク。かつて若者だった彼らも、中年期にさしかかるとともに家族の問題に直面する。彼らがふとしたはずみで結婚する時、何が起こるのか。 40過ぎの「どうしようもないオタク(作者)」が、ひょんなことから20代の中国人美女とお見合…もっと読む

バカに見える日本語 (青春新書インテリジェンス)

■何げないひと言で、あなたの知性を人に疑われないために

 樋口氏は、250万部ベストセラー『頭がいい人、悪い人の話し方』の著者でも知られる、受験小論文指導の第一人者。そのものズバリのタイトルがついた本書では、よく耳にするものの、なぜか聞き手を微妙な気持ちにさせる言葉について、実に的を射た解説を加えている。
 「私って○○じゃないですか」「ヤバいですよ」などの若者フレーズのほか、親や上司も口にしがちな「わかりきった話」「いまの若者は」「そのうちわかる」なども俎上(そじょう)に載せられる。「みんな言ってます」「ご存じないんですか?」…続きを読む

帝国ホテルの流儀 (集英社新書)

■ケンカ売ってんのか!と言いたくなる贅沢さ

 帝国ホテルがどのような流儀かというよりは、帝国ホテルの犬丸さんがこういう流儀を獲得するに至った人生を語っている。 犬丸という苗字が珍しいためか、「帝国ホテルの犬丸一郎社長」というのは有名であった。犬丸さん以外で知ってるホテルの社長といえば、ホテルニュージャパンの横井英樹ぐらいで…もっと読む

さよなら!僕らのソニー (文春新書)

■琴線に触れるモノ作りは片隅へ

 本書を読了して、仕事場に置いてある電気製品のメーカー名を見直してみると、ラジオ、ステレオコンポ、ICレコーダーなどがソニー製であった。ラジオは随分と古いが、これ以前も含め、ソニー以外使ったことはないと思う。著者と同様、評者も「技術のソニー」の信仰者であったことを知る。 本書は、…もっと読む

父・金正日と私 金正男独占告白

■じつは賢かった長男・金正男

 金正日が急死して2カ月。三男の正恩じゃなくて長男の正男が権力を引き継いでいたらよかったのに……五味洋治の『父・金正日と私 金正男独占告白』を読んでの感想だ。 著者は東京新聞の編集委員。朝鮮半島情勢が専門だ。金正男と北京の空港で偶然出会ったことから、メールのやり取りをはじめ、つい…もっと読む

やってはいけない筋トレ (青春新書インテリジェンス)

■確実に成果を出す筋トレについて科学的視点に基づいて解説する

 まずタイトルが挑発的である。ページをめくれば、「この動作は実際には筋トレになっていません」など、筋トレを実践している人をドキリとさせる言葉にお目にかかる。しかし著者の主張は首尾一貫している。要は、筋肉の特徴や体についての正しい知識に基づいて、少ない労力で最大の効果が得られる「効率的な筋トレ」とは何か、具体的に説いているのである。
 読者のなかには思うように効果が出ないと悩んだり、お腹(なか)をひっこめるためにまず何から始めれば…続きを読む

「原子力ムラ」を超えて ポスト福島のエネルギー政策 (NHKブックス)

■原発より危ない、動かしている連中

 猛暑が続く。今年の夏は電力不足で大パニックになるだろうとか、熱中症で死人がたくさん出るだろうといわれたけれども、とりあえず本稿執筆時点(8月15日)では、大きな問題はない。原発を止めると産業が止まる、日本経済はダメになるぞ、といった脅迫も眉につばして聞くようにしたい。 原発なん…もっと読む

私は妻との結婚を後悔している

私は妻との結婚を後悔している [著]キム・ジョンウン [訳]吉原育子

 大胆なタイトルの本書は、2009年に韓国で出版され、20万部超のベストセラーとなった。悲しげなエロティシズムのある女性との結婚を望みながら、なぜか腕が太くて勇ましい女性を妻にした文化心理学者。そんな著者が自身の日常から見える夫婦関係や男女の心理の違い、さらには努力しているのに、…もっと読む

韓国が漢字を復活できない理由(祥伝社新書282)

韓国が漢字を復活できない理由 [著]豊田有恒

 言語もまた、ナショナリズムがらみで冷静な議論がなされにくいジャンル。そこに挑む著者は、70年代から韓国に通って東アジア史のなかの日本古代を考察するSF作家。現在はハングルで表記される漢字語の多くが、明治時代の西洋語からの翻訳語など日本語由来であることを具体例で解説する。

母の遺産―新聞小説

■娘の苦しみ含め、三代の大河小説

 最近は嫁姑(しゅうとめ)よりも、実の母娘の関係の方が難しかったりするようだ。昨今話題の「墓守娘」についての本などを読むと、切実にそう思ってしまう。老後は息子よりも娘に見てほしいと願う親が増えているようだし、自らは果たし得なかった夢を思いきり娘に押しつけて、過干渉を続ける母親もい…もっと読む

エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実 (ヒストリカル・スタディーズ)

■隠し事はどこまで許されるか

 ラスベガスから北に1時間ほど車で走ると米国最大の政府管理区域・ネリス試験訓練場に辿(たど)り着く。面積は新潟県とほぼ同じ。空軍基地や核実験場が置かれている。 そのなかでひときわ謎に包まれているのがエリア51と称される軍事施設だ。衛星写真では存在が確認されているが、米政府は認めて…もっと読む

健康不安と過剰医療の時代

■「何かおかしい」と思う人に

 現代は江戸時代より「進化」していると言われる。進化のシンボルが科学技術の発展である。確かに江戸時代までは高度医療も保険制度もなく薬は高かった。であるから病気にならないことが重要で、「養生」が生活の上で大切な役目を果たしていた。 一方、今の日本では薬は満腹になるほど出してくれるし…もっと読む

健康不安と過剰医療の時代

著者:井上 芳保、近藤 誠、浜 六郎、松本 光正、名取 春彦、梶原 公子、竹中 健、村岡 潔  出版社:長崎出版

Facebookアカウントでコメントする

ページトップへ戻る

ブック・アサヒ・コム サイトマップ