「どくとるマンボウ」として親しまれた作家の北杜夫さんは、ユーモアエッセーだけでなく、「楡家の人々」などの純文学作品から父・茂吉の評伝まで多彩な作品を残した。昭和を代表するベストセラー作家の足跡を代表作からたどる。

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫) 著者:北 杜夫 出版社:新潮社

マンボウ人気の出発点

  医師としてインド洋からヨーロッパにかけて水産庁の調査船に乗船した体験をもとにしたエッセー。明るいユーモアが人気を集め、ベストセラーとなった。以後多くのマンボウものが書かれ、なかでも自らの旧制高校時代を振り返った「どくとるマンボウ青春記」は評価が高い。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

夜と霧の隅で (新潮文庫)

夜と霧の隅で (新潮文庫) 著者:北 杜夫 出版社:新潮社

才能示した芥川賞受賞作

  第2次大戦中のドイツを舞台に、精神病患者をガス室に送り込もうとするナチスに対抗する医師たちの姿を描いた芥川賞受賞作。同賞の選考会では中村光夫に「一番たしかな才能を感じさせる力作」と評された。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

楡家の人びと 第1部 (新潮文庫 き 4-57)

楡家の人びと 第1部 (新潮文庫 き 4-57) 著者:北 杜夫 出版社:新潮社

3代にわたる家と時代の記録

  北杜夫さんが育った斎藤家を題材にした純文学長編。明治、大正、昭和に及ぶ精神病院を営む一族(楡家)の3代にわたる歴史を、時代背景を織り込みつつ描いた。三島由紀夫に「戦後に書かれたもっとも重要な小説の一つ」と絶賛された。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

さびしい王様 (新潮文庫)

さびしい王様 (新潮文庫) 著者:北 杜夫 出版社:新潮社

ユーモアあふれるファンタジー

「さびしい王様」「さびしい乞食」「さびしい姫君」と続く、ナンセンスなユーモアで人気となったファンタジー小説。「怪盗ジバコ」シリーズや「船乗りクプクプの冒険」などの作品も世代を超えて読み継がれている。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

青年茂吉―「赤光」「あらたま」時代

青年茂吉―「赤光」「あらたま」時代 著者:北 杜夫 出版社:岩波書店

父・茂吉を見つめた本格評伝

 「茂吉の歌によって文学への目を開かされた」という息子の北杜夫が父の姿を見つめた本格評伝。「壮年茂吉」「茂吉晩年」と続く。肉親でありながら、父の恋愛なども描くなど作家としての観察眼とバランス感覚がさえている。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

どくとるマンボウ回想記

どくとるマンボウ回想記 著者:北 杜夫 出版社:日本経済新聞出版社

晩年もユーモアは健在

 1970年代には「狐狸庵」先生こと遠藤周作さんとの掛け合いエッセーが人気を集め、交流のあった辻邦生さんや阿川弘之さん、佐藤愛子さんなど多くの作家を身近な存在に感じさせてくれた。07年に刊行された「回想録」でも多くの友人作家の名前があがり、作家が輝いていた時代の懐かしい記憶がよみがえってくる。

  • ブックアサヒコム書店
  • アマゾン
  • 楽天
  • 紀伊国屋
  • TSUTAYA

ページトップへ戻る